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2020/11/20 Fri COLUMN
【コラム】緊張をあきらめない!本番前にできる4つの対策

人前に出るのは無理だとあきらめていませんか?

人前で話す時、緊張し過ぎてうまく喋れなかったという苦い経験はありませんか?「この緊張をなんとか解かなきゃ」と、考えれば考えるほど焦ってきます。だんだん手足が震えてきた、汗をびっしょりかいている、顔が真っ赤、胸がドキドキして苦しい…。言葉に詰まる、言葉がうまく出てこなくなるというのも同じく緊張から起きやすい症状です。
本番中に落ち着きを取り戻すことができず、しどろもどろのまま終了してしまうと「自分はできない人間だ」「ダメな人間だ」と思いこんでしまいます。その時の失敗を思い出すだけで、また胸が苦しくなることもあります。あなたは「もう人前に出たくない」「もう無理だ」と、あきらめていませんか?あきらめているとしたら、もったいないです!今回は人前に立つなど特別な場面で出てくる緊張の症状をやわらげるための具体的な対策を4つ紹介します。

緊張からくる症状

その前に、なぜこれらの症状が出てくるのかを探ります。人は緊張を感じると、自律神経のうち交感神経が優位に働きます。この交感神経が心拍数・体温・血圧を上昇させます。動悸や発汗、ふるえも、この交感神経によるものです。自律神経の働きによるものなので、いざ症状が出てしまうと自分でコントロールすることは不可能です。
ただし、極度の緊張状態を解いて落ち着いた状態で本番に臨むことができれば、交感神経の働きを抑えてこれらの症状を和らげることができます。
では、ここから4つの対策を具体的に紹介していきます。

本番前にできる4つの対策

①深呼吸する
深いゆっくりした呼吸は気持ちを落ち着かせてくれます。深呼吸は副交感神経を優位に働かせて、脳や筋肉に「リラックスしなさい」という指令を与えます。
緊張すると呼吸は早く、乱れがちです。少しずつしか息を吸えないので、吸っても吸っても苦しくなります。落ち着かせるために、本番前に深呼吸を繰り返すのが効果的です。また普段から息をゆっくり大きく吸って吐くことを心がけておくと、本番中も呼吸が早くなるのを防ぐことができます。

②首を冷やす
本番前にハンカチやタオルを濡らして、首元に当ててみてください。これも深呼吸と同じく、緊張状態の時に優位になる交感神経の働きを抑える効果があります。

③手のひらに「人」という字書いて飲み込む
小さい頃から緊張したときは「手のひらに『人』という字を3回書いて飲み込むといい」と言われませんでしたか?ただの迷信だ、根拠なんてないとは言い切れない面があります。実は、交感神経の働きを抑える「労宮(ろうきゅう)」というツボが手のひらの真ん中にあります。手のひらに「人」を3回書くことは、このツボを刺激する動きです。
私はアナウンサーとして約15年仕事をしていますが、いまだに本番前には手のひらに「人」を書いて飲み込んでいます。デビュー間もない頃と比べると本番前に感じる緊張感はだいぶやわらいでいますが、それでもやる理由は、暗示です。今までこの対策をして本番に立って大きな失敗をしたことはなく、「これをやったら自分は大丈夫だ」と思えるようになっているからです。私にとってこの対策は今では緊張を解くことに重ねて、安心材料にもなっています。

④ひたすら練習
緊張は「上手くいかなかったらどうしよう」という不安からきています。その不安を消すためには、上手くいくように何度も練習するしかありません。お勧めは、誰かに客観的に見てもらうことです。本番を意識して喋ってみて、改善点があれば指摘してもらい1つずつ直していきます。やがて「変なところはない、大丈夫だ」と言われれば、自信がつきます。
誰かに見てもらうのが難しい場合は、自分で動画を撮って客観的に見てみるといいです。ビデオカメラがなくてもスマートフォンで撮影できます。自分でチェックするポイントは話し方と内容です。具体的には声の大きさ、声の明るさ、話すスピードや間、話す姿勢、それに話の内容が分かりやすいかどうかです。このポイントをチェックしてください。
自分で動画を撮影すると、必ず自分の顔に目がいきます。そして多くの場合「自分の顔は変な顔」と思ってしまいます。そもそも自分で撮るということに慣れていないのだから、仕方のないことです。アナウンサーとして仕事をしている私も、初めて自分で動画を撮った時には嫌になりました。この練習をやめたくなりました。
でも、よく考えたら普段はプロのカメラマンとプロの照明さんがいて綺麗に撮ってもらっていたのです。光の具合や角度によって顔の映りはだいぶ変わるので、自分の顔が変に映る点は絶対に気にしないでください。ひきつったりこわばったりせずに自然な表情が見られれば、それで良しとしてください。
動画を撮って、繰り返し練習することに意味があります。一度撮って確認する。直した方がいい点を意識してもう一度やってみる、その繰り返しです。だんだん良くなっているのが分かると自信に繋がります。本番前に繰り返し練習して、大丈夫だと自分に自信をつけるためにやるので、途中でやめて欲しくはないのです。

自信を持って本番に臨むために

4つの対策のうち私は特に④を大事に考えています。他の3つは緊張を抑える対策であるのに対して、④は緊張の原因である不安を「取り除く」という積極的な方法であるからです。時間をかけて何度も練習して、自分に自信をつけてから本番に臨んでください。あなたは決して「できない人間」や「ダメな人間」ではありません。

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